35 2021.12.29

子どもたちの目標になることが
クラブへの恩返し

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

Episode2 ぼくのヒーロー NEW
鈴木彩艶(すずき ざいおん)12 GK

REDSDENKI

ーローは浦和レッズでした

僕が子どものころのヒーローは浦和レッズの選手でした。特に誰ということではなく。
僕は小学生になる前からサッカースクールに通っていて、小学生になってサッカー少年団に入り、その後レッズのジュニアに入ったんですが、レッズの選手をヒーローのように感じたのはレッズジュニアに入る2年くらい前からです。ですから2011年ぐらいだと思いますけど、その年に残留争いしていたかどうかは覚えていません。2012年の最終節で槙野選手がすごいフリーキックを決めた名古屋戦は覚えています。あれで翌年のACL出場が決まったんですよね。

学で見たGK練習が面白かった

なぜレッズが好きになったか、と言われると、近かったから。自分の住んでいるところにあったから、だと思います。
一度、レッズの練習を見学しに、友達と自転車で大原サッカー場に行ったことがあるんです。そのときのキーパー練習が面白くて面白くて、その記憶が頭から薄れないうちに近くの公園に行ってサッカーをしました。練習のどういうところが面白かったのか、言葉では言えないですけど。
GKはシュートを止めると気持ちが良いですが、そのときは見ているだけで気持ちが良かったのを覚えています。
そのころレッズにいたGKは加藤順大さん、山岸範宏さん、大谷幸輝さんでしたが、中でも順大さんが好きでした。順大さんの姿勢の良さと落ち着き、それと手でのスローイング、そういう部分がメチャクチャ好きでした。GKとしては小柄な方でしたが、そのころは小さいという気はしていませんでした。みんな僕より大きかったですからね。とにかくスラッと立って格好良かったです。
埼スタで見た試合で覚えているのは大宮アルディージャと引き分けた試合です。兄が大宮のサッカースクールに通っていたので、そのころは大宮に対してそれほど敵対心はありませんでしたが、レッズのジュニア入ってからはメチャメチャライバル心を持つようになりました(笑)。


2021年の鈴木彩艶© URAWA REDS

高校2年生時代の鈴木彩艶© J.Seio

つでもレッズの選手であると意識していた

レッズジュニアに入ったときからプロになりたいと思っていましたが、ジュニアはトップと同じ大原サッカー場で練習があったので、トップの選手たちと一緒になることはよくありました。順大さんからもギシ(山岸)さんからも「お前は絶対にプロになる」と言われたのを覚えています。そう言われて、自分の夢が現実味を帯びてきたと思います。あのとき声を掛けられたのは大きなことでしたね。
レッズジュニアに入って最初に強く言われたことが、「ピッチ外でも選手は見られている」ということで、そこで考え方のすべてが変わりました。
練習中だけではなく、常に浦和レッズの誰々という見方をされている、というのはすごく意識しました。だから電車の中とかで騒いでいる仲間に「うるさい」とメチャ注意しました。たぶん「ウザい奴」と思われていたんじゃないでしょうか(笑)。でも浦和レッズというクラブを考えたときに、そういうところがきちんとしていないと駄目だなと思っていたので。
サッカークラブとしてトップとつながっているというのは、まずウェアが同じことで意識しましたが、トップのコーチや関係者がしょっちゅう自分たちの練習を見に来てくれることでも感じていました。


高校2年生時代の鈴木彩艶(後列左端)© J.Seio

分がお手本にされていると感じる

今、子どもたちの目を意識することはありますよ。育成のGKの選手たちと一緒にミーティングをすることがあるんですが、そういうとき自分がお手本にされていると感じます。自分も子どものころ、トップ選手を見て良いところを盗もうと思っていましたけど、そういう目を感じます。
練習より試合でのプレーの方がみんなの目に止まると思いますから、試合で良いプレーをしたいですね。
将来「子どものころ、鈴木彩艶選手を見てGKになろうと思いました」という選手が出てくれたら最高ですね。
今はジュニアのころお世話になったクラブに恩返しする立場ですが、そういう子どもたちの目標になることも恩返しだと思っています。


高校2年生時代の鈴木彩艶© J.Seio

2021年の鈴木彩艶© URAWA REDS

鈴木 彩艶/2002年8月21日、埼玉県さいたま市


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