50 2022.10.4

どの先生も、いま試合を見に来てくれて
います

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

Episode3 ぼくの好きな先生NEW
安居 海渡(やすい かいと)25 MF

REDSDENKI

校卒業後も気に掛けてくれていたM先生

お話ししたいのは、まず高校時代の3年間ずっと担任だったM先生です。
浦和学院高校は、僕らが入学した年から、サッカー推薦で入学した生徒とかが集まったサッカー部クラスというのができて、1年生から3年生までクラスがずっと替わらないんです。それで担任もずっとM先生でした。
M先生は体育の先生でしたけど、サッカー部クラスの体育は1日の最後の時限にあって、僕らはそこから部活がスタートするんです。なので体育の授業はあってないようなものでした。
M先生の印象が強かったのは、1年生の最初に怒られたというかやり合ったんです。今では口にしてはいけないような、すごい言い方で怒られたので、思わず僕も言い返してしまいました。最初がそんな感じだったので、仲が良い関係とは言えないスタートでした。
でも3年間のうちに、自分も丸くなったというか、自分は何を反抗してるんだろう、と思うようになっていきました。すると、その先生も、僕が変わってきたな、と思ったのか、そんなに言わなくなって。
M先生は、高校を卒業してからも、僕のことを気にしてくれていました。僕は流通経済大学に進んだんですけど、大学でサッカーを頑張ってるらしいじゃないですか、というふうに連絡が親にときどき来ていました。僕は寮生活で、家にはいなかったので。
それを聞いて、すごくありがたいと思いましたし、浦和レッズに入ることが決まったときもすごく喜んでくれました。
今は試合も見に来てくれています。僕から招待したわけではなく、自分でチケットを買ってきてくれているようです。試合の後、場内を一周するときに、「25番」のユニフォームを掲げてくれていました。


© URAWA REDS

ラブチームでの活動を優先してくれた2人の先生

試合に来てくれているのは、川口市立十二月田(しわすだ)中学校のとき担任だった先生も同じです。
1年生と2年生のとき担任だったH先生は、ハンドボール部の顧問だったのですが、入学して部活を決めるときに、ハンドボール部に来ないかと誘われました。というのも僕は中学生のとき「武南ジュニア」というクラブチームに入っていたので、学校のサッカー部に入っても公式大会に出られないんです。それでハンドボール部に入らないかと言ってくれたようです。
結局、サッカー部に入ったんですが、H先生が僕に対してすごく気を遣ってくれたのを覚えています。サッカー部では、ほとんどボールを蹴るだけの活動で、練習時間などが重なるときはクラブチームを優先していましたが「うんうん、それでいいよ」と言ってくれました。
3年生のときの担任は、そのサッカー部の顧問をしていたT先生でした。
僕とサッカー部の関わりは、そんな感じだったので、それまではほとんど意識したことがなく、何となく厳しい先生だということだけ、知っていました。学校で噂になるほど、いろいろ言う先生だったんです。
だから担任になったときは、怖いイメージがあって、話しづらかったんですけど、やっぱり生徒のことを思って言ってくれているのがわかって、正論だな、と思うようになりました。サッカー部の顧問でしたけど、僕がクラブチームで活動をするのを優先してくれました。


© URAWA REDS

の先生にも愛されていたんだな、と

H先生もT先生も、いまスタジアムに来てくれているんですよ。もともとレッズが好きだったと思うんですが、その2人も「25番」のユニフォームを掲げてくれています。やっぱり場内を一周するときにわかりました。
中学校、高校のときの担任の先生がみんな、そうやってくれているのを見て、あらためて自分がどの先生にも愛されていたんだな、と思っています。
まだ、誰にもきちんとご挨拶できていないんですけど、どこかのタイミングでお会いしたいと思っています。


© URAWA REDS

安居 海渡/2000年2月9日
埼玉県川口市生まれ

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