52 2022.10.31

仲間と交換したユニフォームと
ぼくを奮い立たせてくれる漫画

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

Episode4 ぼくの宝物NEW
小泉佳穂(こいずみ よしお)8 MF

REDSDENKI

ロでの再会がうれしい高校の仲間たち

集めてもいるし、大事にしているのは、高校時代の仲間と交換したユニフォームです。
前橋育英時代のチームメートで下の学年も含めてJ1でやっている選手が6人いるんですが、彼らとJ1で対戦するたびにユニフォームを交換して部屋に飾ってあります。お互いが試合に出ていないとできないので、まだ全員ではないですけど、いま持っているのは、セレッソ大阪にいた坂元達裕、北海道コンサドーレ札幌の岡村大八とFC東京の渡邊凌磨で、C大阪の鈴木徳真と去年J1だった大分トリニータの吉田舜はまだです。坂元はいまヨーロッパに行っていますが、日本に戻ってきたとき、同じC大阪でもまた交換します。坂元とは毎年、ユニフォームが変わるたびに交換したいくらいです。
僕は、高校のチームが一番特別な感じがあって、その仲間たちとプロで再会したとき、すごくうれしいんですよ。この舞台でまた試合ができるということが、すごくうれしくて、それで交換したいんです。そういう意味では宝物ですね。


© URAWA REDS

西大伍さんとユニフォーム交換

高校のチームメート以外では、昨年レッズで一緒だった札幌の西大伍さんと先日の試合で交換しました。大伍さんとは1年だけだったんですけど、いろいろなことをよく話しました。でも一番すごいと思ったのは、レッズとの契約満了が決まってからです。まだ何試合か残っていて、ほかにも退団が決まった人がいたんですけど、その状況の時に、どういう態度で練習に臨んでいるかを僕は見ていたんです。そしたら振る舞いが一番ふだんと変わらないのが大伍さんでした。それまで、いろいろ話を聞いてもらったりしていましたが、一番かっこ良いなと思ったのはそこです。こういうときに人間性の一部が確実に出ると思うんですが、そこでしっかりやれる人はリスペクトできます。
大伍さんとは、10月12日の札幌戦で交換したんですが、その日は岡村大八とも交換したんです。誰かにあげるつもりで自分で買ってそのままになっていたユニフォームがあったので、それを持ってきて2人と交換しました。あまり、いないですかね、こんな選手(笑)。


交換したユニフォーム/右から西大伍(札幌)、岡村大八(同)、渡邊凌磨(F東京)、坂元達裕(C大阪)×2
左端はパリ・サン=ジェルマン戦での特別ユニフォーム(小泉)

折したときに勇気をもらった漫画たち

もう一つ、大事にしているものを言うと、漫画です。
人生には挫折が付きものじゃないですか。特に高校時代は、多かったと思いますが、そういうときに勇気をもらうのは漫画だったりするんです。
たとえば「あひるの空」(作・日向武史/講談社)というバスケの漫画があります。基本的にスポーツ漫画って、主人公が才能にあふれていて全国制覇まで行く、というストーリーが多いじゃないですか。でも「あひるの空」の主人公は、背が低くて、試合でも強豪校にボコボコにされたりするんです。敗者の物語みたいなんですが、自分が苦しいときに読むと、ぶん殴られたような気持ちになるんです。
他にも車いすバスケがテーマの「リアル」(作・井上雅彦/集英社)があります。主人公の1人があるとき、手ひどい負け方をするんですが、そのときにセリフがかっこ良いんですよ。「うわっ」ってなっちゃいました。好きな漫画を語り出したら終わらないですよ(笑)。自分がちょっと気持ちが落ちているときに読んで奮い立つような気持ちになるのは、スポーツ漫画なんですね。
サッカー漫画では「GIANT KILLING」(原作・綱本将也、画・ツジトモ/講談社)です。アニメでもやってましたけど、漫画では主人公の監督が現役時代の話があるんです。それを読むと、サッカーができることがどんなに幸せかというのがわかります。


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人になって読み返す「あだち充」作品

作者で言うと「あだち充」がめちゃくちゃ好きです。
子どものころ夏休みに波崎のおばあちゃんの家に行ったとき、そこにあった「タッチ」(小学館)を読んであだち充のファンになりました。あだち充の作品はほとんど読んでいます。さっきまで挙げた漫画と少し違うように思うでしょう?でも最初に読んだのは「H2」(小学館)なんですが、中学生、高校生のころは、ただ面白いな、という感じで読んでいたのが、大人になって読み直すと、全然違う面白さになっているんです。「うわっ、こんなに面白かったんだ」という。あの面白さは高校生だとたぶんわからないです。
あだち充の作品は、セリフ回しも面白いし、間もすごく面白いし、ウィットに富んでいるんですよね。そこが本当にわかるようになったのは、たぶん今の年齢になってからです。一番好きなのは「ラフ」(小学館)かな。つい最近も読み直したんですけど、展開がわかっていても面白いんです。
持っているのは全部電子書籍です。タブレット端末で読んでます。漫画って溜まっちゃいますからね。
でも「SLUM DUNK」(作・井上雅彦/集英社)だけは作者の意向で、電子書籍になっていないんですよ。「SLUM DUNK」は、僕の父親が大好きで生まれたときから家にありました。お兄ちゃんも大好きで、テレビを見ていて何か「SLUM DUNK」に関連付けて話し出すと止まらないんです。もう3人で「SLUM DUNK」だけでずっと会話してます。その間、お母さんと妹は入ってこられないんです(笑)。


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小泉 佳穂/1996年10月5日
東京都生まれ

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