連載「素顔の選手《REDSげんき》」
Episode4 ぼくの宝物
西川周作(にしかわ しゅうさく)1GK
僕が大分トリニータのU-18から昇格してプロになると決まったときに、U-18のGKコーチをしていた吉坂圭介さんからお祝いにキーケースをいただいたんです。
ルイ・ヴィトン製で、当時の年齢にはふさわしくない高価な物でした。自分では手が届かない、初めてのブランド品で、触ってこれが本物なのかと思いながら、恩師がくれたものなので大事に使おうと、しばらくはそのまま箱に入れていました。
最初につけたのは寮の部屋の鍵と車のキーです。いただいたときに、そうしようと思っていました。これまで財布は買い換えてもキーケースは換えていません。今ではもうボロボロになっています。今でも付けているのは家と車の鍵ですね。
吉坂さんは、僕が中3のとき、当時の大分でU-18の監督をしていたファンボ・カンさん(2005年から大分の監督)と2人で、中学生時代のクラブ(宇佐FC ジュニアユース)に僕を見に来てくれて、大分に獲ってくれた人でした。見た瞬間に「こいつは大物になる」と思った、というのは僕がU-18を卒業するときに教えてくれました。
その人がGK練習で、シュートを蹴ってくれていたんですが、僕がけっこう止めたりしてなかなか入らなかったときがありました。シュート練習じゃないんで、入らなくてもいいんですが、意地になって思い切り蹴ってきたんです。そしたら土のグラウンドだったのでボコボコで、バウンドがイレギュラーして僕の頭に当たったんです。それで脳しんとうを起こして、気づいたらベンチに座ってて、その後病院に運ばれました。初めての経験でした。
GKコーチという存在に出会ったのは吉坂さんが初めてでした。あらためてGKのことを基礎から教えてもらいました。本当にきつい練習もして鍛えてくれたんですけど、一番感謝しているのは、ミスを絶対に叱らないというか、トライしたことにちゃんと理由があるというアドバイスをしてくれてていたので、のびのびとプレーをしてたなと思います。今季のレッズではジョアンGKコーチに教えてもらっていますが、やっぱりそういうところは、つながっていると思います。僕も試合中、味方にはポジティブな声掛けをするようにしています。
大分U-18時代は本当にのびのびさせてもらってたなと思います。自分も将来コーチになったら、そういう教え方をしたいなと思えるぐらいの指導をしてもらっていました。
もう一つの宝物は、本格的にサッカーを始めたときに買ってもらったボールです。
小学校3年生から部活に入れるという学校だったので、3年生になってすぐにサッカー部に入って、初めて母親にボールを買ってもらいました。懐かしい白黒のボールで、当然4号球です。最初に公園で友達と遊ぶときに、自分のボールを使ったのは、何とも言えない感覚でしたね。ボールを包んでいるビニールをパリパリ破るときもうれしかったです。
どこへ行くにも持っていきました。今の子はみんなボールをリュックとかに入れているので、あまり見ないですが、僕はネットに入れて母親とスーパーに行くときも蹴りながら歩いていましたし、寝るときも一緒でした。練習以外でも公園などで遊びましたが、そんな後はしっかり拭いてきれいにしていました。新品のキラキラしたボールが相当うれしかったんだと思います。
中学生になったら当然5号球を買いましたが、そのボールは、大分ユースに行くとき、後輩にあげたというか、クラブに置いていきました。でも初めて買ってもらったボールは、もう相当ボロボロですけどずっと実家にあります。さすがに中学生になったら、ネットに入れて持ち歩くことはなくなりましたけど。
物を大切にするというのは、ずっと大事にしていることかなと思います。スパイクも買ってもらいましたが、ちゃんと磨いたりしなさいよ、と母親からも言われていました。
以前、僕がグローブをあげたファンのお子さんがいるんですけど、こんなに大きくなりましたと写真を付けて手紙をくれるときに、このグローブも大切に飾っていますとか書いてあったり、サインをもらったユニフォームを大事に飾ってますとか手紙をもらったり、そういうふうに大事にしてくれるのはありがたいですし、うれしいです。
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