56 2022.12.27

「仲間に信頼される選手になろう」
曺 貴裁さんの言葉を大事にしています

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

Episode4 ぼくの宝物
伊藤敦樹(いとう あつき)3 MF

REDSDENKI

間に信頼されないとうまくいかない

アイテムではないんですけど、流通経済大学の4年生のときに、現在京都サンガF.C.の監督をされている曺 貴裁(ちょう きじぇ)さんがコーチとして大学に1年間きてくれて、お世話になったんですが、その曺さんの言葉を大事にしています。
最初のミーティングで言われた「仲間に信頼される選手になろう」という言葉です。
やっぱり仲間に信頼される選手というのは本当に大事だと思っています。自分さえ良ければいいという気持ちは、たぶんサッカーをやっていたらプレーに出てくると思いますし、選手にも伝わってチームとしてうまくいかなくなってしまいます。
選手に信頼されるのが一番大事なことだし難しいことで、監督だったり見てくれている人が評価してくれても、やっているのは選手ですから、選手たちから信頼されていなかったら自分のプレーもうまくいきません。


リカルド監督と試合前に握手する曺 貴裁サンガ監督(左)
© URAWA REDS

だんの積み重ねがないと信頼されない

流経大は部員数も多くて、自分たち以外のカテゴリーの試合(注・流経大サッカー部には4つのチームがあり、それぞれ別のカテゴリーに所属している)を応援するというのがあるんです。僕らの試合でいうと、下級生やトップに入っていない4年生とかが応援してくれたりするんですが、こいつが出てるから応援してあげようとか、こいつが頑張ってるから自分たちも応援頑張ろうというふうに思わせるプレーというのは、たぶん日頃の練習から積み上げていかないとできないもので、そういった部分は大切にしていました。
細かいところですけど、ラインを割る寸前までボールを追いかけたり、走りのメニューのときは決められた線までしっかり走るとか、そういう細かいこともずっと言われ続けていて、そこが信頼されるかされないかにも響いてきますし、そこを頑張れるか、練習からやるかやらないかで、試合で最後の一歩、最後の足が出ることにつながったりもすると思うんです。そういうことを曺さんに教えられた1年間でした。
その中で一番大切にしているのが、「仲間に信頼される選手になろう」という言葉で、今でも大事にしています。プロになる前の年にそれを聞けて本当に良かったです。


© URAWA REDS

ロでも同じ、基本は一生懸命やること

プロになってからも、その言葉を大切にしていますけど、プロになるとそれぞれ生活も懸かっているし、シーズンの終盤だと翌年の契約がどうなるかで立場が違いますから、難しさがあります。やっぱりこのエンブレムを背負っている重みや責任っていうのは学生のときには感じられないものです。
難しいんですけど、基本は一生懸命やる姿を見てもらうのはベースなのかなと思います。それと自分が信頼することで周りから信頼されることもあると思います。


© URAWA REDS

合で成長した姿を曺さんに見せられた

曺さんがかつて浦和レッズの選手だったということは、レッズの練習に参加したときに聞いて知りました。
1年後、曺さんが京都の監督になるときに、僕はレッズに行くことが決まっていましたが、僕に対しては「1年間プロと同じように接してきた」と言われました。京都がJ1に上がれば戦うこともあると思っていましたし、実際に今季戦いました。
1年間だけでしたけど、サッカー面はもちろん、精神的にも成長させてもらったと思っているので、違うチームになって対戦できる舞台があるのはありがたいことでしたし、成長した姿を見せようと京都戦は特に思っていました。見せられたと感じています。


2022年Jリーグ開幕戦で京都と対戦。早々に恩師に成長した姿を見せられた (右から3人目が曺監督)
© URAWA REDS

ロ1年目で獲った天皇杯の優勝メダルも宝物

アイテムで宝物と言うとプロになった去年(2021年)、獲った天皇杯のメダルですね。
これまでいろいろなメダルやトロフィーとかをもらって、全部うれしいんですけど、そこまで思い入れはないですし、全部実家に置いてあるんですが、天皇杯優勝のメダルは本当にうれしいです。これも、いま実家にあるんですけど、親がうれしそうに掛けて写真を撮ったり、いろんな人に見せびらかしたりしていました(笑)。
これから、優勝のメダルはいくつも獲りたいですが、プロ1年目で天皇杯優勝というのは本当に思い出にもなってますし、これからのキャリアの中でも思い入れの強いタイトルになると思います。


プロ1年目で獲得した優勝
© URAWA REDS

あの天皇杯で一番印象に残っているのは、やはり決勝です。終了間際に追いつかれたときは正直、延長は嫌だなと思いました。
自分もめちゃくちゃ疲れてましたし、相手の大分トリニータの方が勢いもありました。このまま延長行ったら相当きついなって思っている自分がいましたね。
弱気になったらいけない、ここからだとも思ってましたけど、そんなときに、あの槙野選手の決勝ゴールが決まりました。あの展開もあったからこそ、今までより思い出深くなったのかもしれません。初めての国立競技場でしたし、たくさんの観客(57,785人)の前でやったのも初めてでした。


天皇杯決勝の大分戦で決勝ゴールを挙げた槙野智章を追いかける伊藤(17番)
© URAWA REDS

伊藤 敦樹/1998年8月11日
さいたま市生まれ

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