連載「素顔の選手《REDSげんき》」
Episode4 ぼくの宝物
アレクサンダー ショルツ 28 DF
アレクサンダー ショルツ デンマーク出身
デンマークをはじめ、アイスランド、ベルギーなどでプレーし、2021年8月から浦和レッズ加入
僕にとって宝物と言えるのは本ですね。
何か1冊の本ということではありません。
自分のバッグには常に本が1冊入っています。暇さえあればスマートフォンを見るというのがあまり好きではありません。本をいつでも手元に置いておきます。特に移動中は本をいつでも読めるようにしています。本がそばにないということはありません。
先日、1週間のオフがあって韓国に行ってきました。そのときに1冊本を持って行ったのですが、初日で読み終わってしまったので、翌日の朝から韓国で他の本を探しました(笑)。良い書店があったので、韓国の本で英訳されているものを3冊買いました。
レッズで沖縄キャンプが2回ありました。荷物に本を入れ忘れたら大事(おおごと)ですが、絶対に忘れることはありません。出発する何日も前からどの本を持っていくかチョイスするのは非常に楽しい時間です。途中で全部読み終えることのないように、多めに持っていくから重くなりますけどね。
子どものころはバカンスのときとか、時間のあるときに本を読みました。今のように常に本を読んでいるようになったのは、16歳ぐらいのころからだったでしょうか。学校に行っていましたが、サッカー選手としてもうプロ契約していました。デンマークで一人暮らしを始めてアパートを借りたのですが、そのアパートに決めた理由は、部屋に大きな本棚が付いていたからです。天井に届くほど大きな本棚でした。
その近くに本が安く買える古本屋があったんです。東京の神保町のように希少価値で高くなっている古本屋ではなく、日本で言うと「ブックオフ」みたいなところです。そこで、まずはノーベル文学賞を獲った本を買い、それから見つけた良さそうな本をどんどん買っていったので、アパートに入ったときには20~30冊だった本が、数日後には300~400冊になりました。
その後、引っ越しのたびに本を整理して、新しい家の本棚に仕舞うのが大変な作業ですけど、楽しみになりました。家の廊下に沿って本棚がいくつも並んでいるような状態になっていくんですが、引っ越しのたびに本の並び替えをするのが楽しいんです。
日本では、もう250冊ぐらいの本を買いました。
先日、そのうち読み終えた中で、これはもう読まないだろうという100数冊をデンマークに送りました。選ぶのに2時間かかりました(笑)。もちろん売った方が楽なんですが、自分が読んだ本は手放したくないんです。
今までに買った本はたぶん6,000冊ぐらいになっていると思いますが、捨てることはもちろん、売ることもしていません。みんな僕から本を借りていくんですが、絶対に返してくれるように強く言っています。
自分が読んだ本を残しておくことに、どれほどの意味があるかと言われると、よくわかりませんが、それも自分の歴史の一部だという思いがあることは間違いありません。若いころは古本屋をやりたいという夢も持っていました。
アレクサンダー ショルツ/1992年10月24日生まれ デンマーク出身
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