66 2023.8.31

本と過ごす時間
【後編】

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

Episode4 ぼくの宝物
アレクサンダー ショルツ 28 DF

REDSDENKI

アレクサンダー ショルツ デンマーク出身
デンマークをはじめ、アイスランド、ベルギーなどでプレーし、2021年8月から浦和レッズ加入

は日本の作家の本を読んでいます

サッカーをやっていたことで、本をたくさん読むようになったのかもしれません。勝つために頭を使わなければなりませんが、そのために本を読んでリラックスすることが大事でした。あとは本を読むことで集中力が養われます。
サッカーに関する本はそれほどたくさん読んでいません。サッカーに関して1冊素晴らしい本を挙げるとすれば、のべ14か国、FIFAの6大陸すべてでプレーしたことがある、ドイツ人の元GKルッツ ファンネンシュティールが書いた自伝です。
プロになって何年かして、アイスランドでプレーしているときに、アイスランドの作家の本を読み始めました。アイスランドは小さな国ですが素晴らしい作家が多いんです。そこから、住んでいる国の作家のものを読むことが多くなりました。ですから今は日本の作家の本を読んでいます。
探偵小説は、ベルギーのスタンダール・リエージュでプレーしていたとき、ベルギー人のジョルジ シムノンが書いたものをだいぶ読みました。メグレという警察官が作品ごとに成長しながら事件に携わっていくもので、シムノンはリエージュの出身だったのでよけいに読みたい気持ちが強かったんです。


© URAWA REDS

佛次郎、川端康成、太宰治

日本に来てよかったのは、かなり英訳された本が出版されていることです。機会があるときに、まとめて買いますから、本のストックは常にありますけど、並行して2冊以上の本を読むことは、ほとんどありません。1冊を読み終えてから次の本に取り掛かります。読むのは、主に名作と言われる古くからある作品ですね。最近のものは何がいいか探すのが難しいですし、英訳されているものが少ないので、入手しにくいです。日本の有名な作家の作品はほとんど読んでいると思います。
日本の本の中で一番気に入ったものを挙げるのは難しいです。ジロウ オサラギ(大佛次郎)や、ヤスナリ カワバタ(川端康成)、オサム ダザイ(太宰治)などでしょうか。ノンフィクションも読みますが、最近ではほとんど小説ですね。青森生まれのダザイが地元のことを紹介した「ツガル(津軽)」という本も読みましたが、僕の中では下の方のランクにあります(笑)。


© URAWA REDS

っくり何かに集中する時間を

これだけ本を読むことが多くなったのは、自分にとって外国でプレーすることが多くなって、一人の時間が長いからかな、と思います。若いころ、こんな生活は想像していませんでした。自分自身をサッカーから切り離すために本を読み始めたのかもしれません。
本があったことで僕の人生は素晴らしく豊かになりました。特に若いころは本を読むことに大きな意味があったと思います。今では生活習慣になっていますが。
日本人は本を読むほうだと思いますが、みなさんもぜひ本を読んでください。別に漫画でもいいと思います。じっくり時間を掛けて何かに集中することが少なくなっている時代ですから、ときにはそういう時間を過ごすのに本を読むことは最適だと思います。


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アレクサンダー ショルツ/1992年10月24日生まれ デンマーク出身

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2023年9月15日(金)23:59まで