連載「素顔の選手《REDSげんき》」
Episode6 ぼくのベスト3【サッカー選手編】
井上黎生人(いのうえ りきと) 23 DF
僕がこれまで同じチームでプレーし、「本当にすごい」と感じた3人の選手を紹介します。
1人目は中島翔哉選手です。翔哉さんは、物事の考え方や捉え方がポジティブで、それを自然体で実践しているように見えます。僕にとっては、ただ「まねしたい」と思うだけでなく、「こうなりたい」と強く思わせてくれる存在です。
僕がプレッシャーで自分らしいプレーを出せず苦しんでいたとき、翔哉さんは「自分で苦しめているだけだよ。そのままやればいいじゃん」と声をかけてくれました。その言葉で、ありのままの自分で戦うことの大切さに気付かされました。翔哉さんは、誰もが難しいと感じることを自然にやってのける人です。そんな姿にいつも驚かされ、僕も見習いたいと思っています。
プレー面でも、翔哉さんのスペースを見つける力はずば抜けています。僕が「ここにいてほしい」と思う場所に必ずいて、パスを受けた後は相手に的を絞らせず、前にボールを運んでくれます。後ろでプレーするDFとして、「翔哉さんに預ければ大丈夫」と思わせてくれる、頼りになる存在です。
普段は話しかけるとふざけて返してくれることが多いのですが、ふとした瞬間に核心を突いたアドバイスをくれます。その言葉はどれも的確で、僕にとって大きな影響を与え続ける存在です。
2人目は興梠慎三選手です。慎三さんと同じチームでプレーするまでは、「どれほどすごい選手なんだろう」と漠然と想像していました。そして実際に同じピッチに立ち、その答えを肌で感じました。
慎三さんの動き出しは、他の選手とは全く違います。スペースを見つけるだけでなく、自らスペースを生み出す能力が際立っていて、一対一の駆け引きでは、僕が「ここで止められる」と思った瞬間に逆手を取られて抜かれることが何度もありました。その動きには、ただただ驚かされます。
もう一つすごいのは、チーム全体への影響力です。少しズレたパスでも確実に収め、周囲の選手を自然と引き立てます。慎三さんが動くだけで、「この人にボールを預けたい」と思わせるほどの安心感と存在感を持つ選手です。
試合に出られず苦しい時期、慎三さんはよくご飯に誘ってくれて、「俺たちはお前を認めているから、続けていけばいい」と励ましてくれました。その言葉がどれほど力になったか分かりません。慎三さんと同じチームでプレーできたことを、心から幸せに思っています。
最後に紹介するのは、ガンバ大阪やガイナーレ鳥取でプレーしていたフェルナンジーニョ選手です。現在は選手兼スポーツダイレクターとして、奈良県1部リーグのバンディート生駒に在籍しています。
僕が高校を卒業して鳥取に加入したとき、フェルさんと一緒にプレーする機会がありました。当時すでに34歳という年齢でしたが、そのキレやスピード感、そして技術の高さは今でも鮮明に覚えています。
フェルさんのプレースタイルは、小柄な体を最大限に生かしたもので、切り返しの鋭さや駆け引きのうまさが際立っています。僕が「勝てる」と思った場面でも、その一歩先を行かれることが何度もあり、「どうやって止めればいいんだろう」と思うことがよくありました。
特に心に残っているのは、試合に出られず自信を失っていたときのことです。フェルさんから突然LINEで、「リキ、あなたは必ずJ1に行ける選手だ。強い気持ちを持って」というローマ字で書かれたメッセージをもらいました。その言葉が心に響き、その後もキャリアの岐路に立つたびに相談し、フェルさんの言葉に何度も背中を押されました。
翔哉さん、慎三さん、そしてフェルさん――この3人は、僕にとって特別な存在です。それぞれのプレー、そしてその言葉の一つひとつが、僕にとって大きな成長の糧となっています。
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