93 2025.2.28

浦和レッズの
松尾佑介が語る、
影響を受けた特別な存在

連載「素顔の選手《REDSげんき》」

松尾佑介(まつお ゆうすけ) 24 MF

REDSDENKI

今回は、松尾選手にとって大きな影響を与えてくれた選手について話を聞きました。

「ゴールを奪うことにこだわり続けていた」

プロの世界には、お手本になる選手がたくさんいます。僕は、そうした選手たちから学ぶことを常に大切にしてきました。

チームに優れた選手がいても、一緒にプレーできる時間は限られています。だからこそ、その貴重な時間を無駄にせず、積極的にコミュニケーションを取り、プレーを観察し、できるだけ多くのことを吸収しようと意識してきました。

横浜FC時代、特別な存在となった選手がいました。それがレアンドロ ドミンゲスです。2019年、特別指定選手としてチームに加わった僕は、彼のプレーを見て、「サッカーとはこういうものだ」と強く実感しました。その立ち居振る舞いを見ているだけで、多くのことを学べたのを覚えています。

彼の最大の特長は、攻撃に懸ける圧倒的な熱量です。攻撃であれほど貪欲な姿勢を持ち続ける選手はなかなかいません。試合展開やチームの状況に関係なく、彼は常にゴールを狙い続け、チームを引っ張っていました。

通常、攻撃はチームの流れが良いときにこそ機能しやすいものです。でも、彼は試合の流れに左右されることなく、どんなに苦しい展開でもチームを背負い、ゴールを奪うことにこだわり続けていました。


© URAWA REDS

「自分の能力を疑うことが一切なかった」

一方で、守備に関しては、正直なところ雑な部分もありました。でも、それは攻撃にすべてを注ぎ込んでいたからこそだと思います。リスクを恐れず、何度でも仕掛ける。その姿勢こそが、彼のプレーのクオリティーを支えていました。

さらに、彼のもうひとつの大きな強みは、揺るぎないメンタリティーでした。どんなにミスをしても、自分の能力を疑うことが一切ない。普通なら、失点が続いたり、自分のプレーがうまくいかなかったりすると、気持ちが落ち込んでしまうものです。それでも決してブレず、落ち込むそぶりすら見せずに、次のプレーへと向かっていました。

今の時代、SNSを通じてさまざまな意見が瞬時に拡散され、選手のプレーに対する雑音も多くなっています。そんな環境の中だからこそ、彼のように自分を信じ続ける強さが必要だと、あらためて感じました。


© URAWA REDS

「チームに熱を与えられる選手でいられるか」

一流の選手は、日々の練習で積み上げたものを、そのまま試合で発揮します。レアンドロ ドミンゲスのプレーを見て、試合でのパフォーマンスは偶然生まれるものではなく、積み重ねたものの成果であることを強く実感しました。

彼は、練習でも試合と同じ熱量でプレーしていました。特にボールを要求するときの圧はすさまじく、周りの選手は「ボールを預けなければ」と自然に感じるほどでした。その存在感はチームの中でも際立っていて、プレーで周囲を引きつけ、影響を与えていました。

僕自身も「試合に出続けるためにはどうすればいいのか」「チームの中で信頼を勝ち取るには何が必要か」を深く考えるようになりました。

今、僕が大切にしているのは、チームに熱を与えられる選手でいることです。

プレーで引っ張る選手が一人いるだけで、チーム全体の雰囲気は大きく変わります。もちろん、必要以上に変えようとするのは良くないですが、良い方向へ導ける存在でありたいと思っています。

ボールが集まるというのは、それだけ周囲から信頼されている証しでもあります。信頼が大きくなるほど、求められる責任も増していきます。でも、そのプレッシャーこそが、自分を成長させる原動力になると僕は思っています。

サッカーは、僕にとって欠かせないものです。だからこそ、常に楽しむ気持ちを忘れずに、自分のプレーをさらに磨いていきたい。レアンドロ ドミンゲスが示してくれた「挑戦し続ける姿勢」を受け継ぎ、どんな状況でも成長を止めない選手でありたいと思います。


© URAWA REDS

抽選で5名様に松尾佑介選手直筆サイン入りレッズでんきオリジナルクリアファイルをプレゼント!

■応募方法
1.「レッズでんき」公式Xアカウントをフォロー
https://twitter.com/redsdenki

2.キャンペーン告知をリポスト

■応募締切
2025年3月15日(土)23:59まで